にぼしめし

備忘録

最近観た映画(2018年12月〜2019年1月)

◯須藤友徳監督『Fate/stay night [Heaven's Feel] I.presage flower』(2017)

 2018/12/23にDVDをレンタルして鑑賞。

ゲーム『Fate/stay night』の複数あるルートのうち「桜ルート」と呼ばれる「Heaven's Feel」をアニメ映画にした作品。『Fate』の基本設定等は省いて物語を見せることに徹していた印象なので、完全に『Fate』を初見であるという人には厳しい作りかもしれない。後半の怒涛の展開からするとやや駆け足気味にも感じるけれども、その分前半でしっかりと士郎と桜の日常を描いていたのが良かった。HFルートの魅力は愛すべき日常の崩壊、そしてひとりの男の正義とひとりの女の幸福にあると思っているので、桜がどんな女の子であるか、聖杯戦争に巻き込まれる前はどんなに穏やかな日々が続いていたかを観せてもらえてよかった。それにしても蟲が気持ち悪かった。映画館で観たら多分泣いてたと思う。(第2章は劇場で観る予定だけど……)

 

中島哲也監督『来る』(2018)

来る

来る

 

 

2019/1/13に劇場にて鑑賞。

ホラーは基本的に苦手なものの、中島哲也監督の作品であることに加えてツイッターで「心霊版シン・ゴジラ」という謎の煽り文句を目にしたので観に行ったが正解だった。タイトル通り「来る」時には「来る」と知らせてくれるので心の準備が出来る点がありがたかった。怪異の怖さと人間の怖さと虫の気持ち悪さが上手く拮抗してて面白かった。終盤の祓うシーンはなんかもうめちゃくちゃスケールが大きくて笑ってしまった。松たか子さんが死ぬほど格好良い。オチは少しモヤモヤするものの、最後まで緊張感を持って見ることができた。

 

◯須藤友徳監督『Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅱ.lost butterfly』

 

2019/1/13に劇場にて鑑賞。

第2章ということもあり、物語は佳境に突入する。アニメーションとしての見所はやはりバーサーカーvsセイバーオルタ戦である。緊迫感のあるアクションシーンの流麗さはさすがufotableといった出来だった。物語としての見所は桜と士郎が日常が崩壊する中で心を通わせていく、その積み重ねだろう。第1章も含めて桜と士郎の歴史をしっかり描いてきたからこそ士郎の「帰ろう」、桜の「取らないで」、士郎の裏切り、が重みを持つ。原作をプレイした時に特に好きなシーンだった桜vsギルガメッシュ、桜と慎二の終盤のシーンがアニメでもとても良い仕上がりで嬉しかった。最後のカットからの『I beg you』が素晴らしくてこれを聴くためだけに劇場に足を運ぶ価値があったと感じた。

 

 

 

 

最近観た映画(2018/10/28〜12/23)

映画館が好きなのに、出不精のせいか映画をあまり観ていません。しかし、私が美しいと思う文章を書く人はみな映画を愛していることに気付いたので少しずつ観ていきたいと思います。だいたい週に一本くらいのペースが良いのではないかと思うものの、なかなか上手く行きませんね。

 

犬童一心監督『メゾン・ド・ヒミコ』(2005)

メゾン・ド・ヒミコ

メゾン・ド・ヒミコ

 

 

2018/10/28にprime videoにて鑑賞。

ゲイである父に捨てられた過去を持つ主人公を、どこか翳りのある青年が迎えに来る。父の恋人であるその青年は、父が建てたゲイ専用の老人ホームの手伝いの話を持ちかけてくる。父を恨んでいるものの破格の報酬には抗えず、その奇妙な老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」に通うようになる。というあらすじである。

ゲイ専用の老人ホームという設定が突飛であるものの、建物の美しさと横浜というロケーションが浮世離れした存在感に説得力を持たせていてよかった。

オダギリジョーさんがとにかく綺麗で、どの衣装も似合っていて大変良かった。

ラストシーンの落書きと再会がじんわりと沁みた。沙織と春彦はうまく恋人になれなかったけれど、違う形で向き合うことができたのがうれしいな、と思う。あのような方法で再会できたことは許しそのものであり、救いであるような気がした。

 

◯吉沢俊一監督『機動戦士ガンダムNT』(2018) 

 

2018/12/9に劇場にて鑑賞。

機動戦士ガンダムUC』の続編。3人の少年少女たちを中心とした物語である。UCがあまりにも美しく纏まっているため、本作発表時には少し不安があったものの実際に観てみるとその心配は杞憂だった。とても良かった。サイコフレームニュータイプに主眼を置いたストーリーはUCの続編だからこそ意味がある。尺の問題か、細部を見ると説明的であったり駆け足に感じるところもあったが、ラストシーンは圧巻の出来だった。ややネタバレかもしれないが、「彼」と「彼女」の物語がまだ続いていたのが途方もなく嬉しかった。彼が「それでも」と言い続けていてくれることに感謝したい。

 

本広克行監督『サマータイム・マシン・ブルース』(2005)

 2018/12/16にprime videoにて鑑賞。

ヨーロッパ企画上田誠さんの戯曲を原作としたタイム・トラベルもの。SF研に所属する大学生たちがタイムマシンを手にしたら…というストーリーだが、とにかく夏休みの大学生のドタバタ悪ノリ感が素晴らしい。冒頭の銭湯のシーンがあまりに楽しそうで観ていて嬉しくなった。テンポよく進むストーリーと軽妙な会話のおもしろさ、そして怒涛の伏線回収に思わず唸らされる。最後まで楽しくてずっと笑っていられるような映画だった。何度でも観たくなる。

 

ブライアン・シンガー監督『ボヘミアン・ラプソディ』(2018) 

Bohemian Rhapsody (The Original Soundtrack)

Bohemian Rhapsody (The Original Soundtrack)

 

 

2018/12/21に劇場にて鑑賞。

ロック・バンド「クイーン」のボーカルであるフレディ・マーキュリーを描いた伝記映画。クイーンの曲は好きなのにバンドについてはほとんど知らなかったので、この作品でそれぞれの楽曲の背景を知ったことによりひとつの大きな物語として捉えられるようになった気がする。名曲たちと共にテンポよく進む物語のラスト・シーンに「ライブ・エイド」を据えたのは素晴らしいと思う。エンドロールで流れる曲のチョイスに唸らされた。猫が可愛すぎて集中できないシーンがたくさんあった。

 

山田尚子監督『リズと青い鳥』(2018)

 

 2018/12/23にBlu-rayをレンタルして鑑賞。

アニメ『響け!ユーフォニアム』に登場する鎧塚みぞれ(オーボエ担当)と傘木希美(フルート担当)を中心的に描いた作品。ふたりがソロパートを務める楽曲『リズと青い鳥』の物語とふたりの少女の関係性を重ね合わせる構成で、映画としては静かに展開していくものの、作画や演出、声の演技の情報量が大変多く濃密なフィルム仕上がっている。ふたりの立ち位置が逆であると気付いたあとの演奏のシーンは、当然ながら台詞はひとつもないのに他のどのシーンよりも雄弁に心情を語っていて、映像作品ならではの力があってとても良かった。抱き合いながら対話をするシーンでは、自分よりも才能のある者に愛された優越感と劣等感のようなものを見てしまった。「みぞれのオーボエが好き」はとても残酷な台詞である。でも、それを言葉にすることができたからこそ爽快な一太刀となり風が生まれて羽ばたけたのかもしれない。大変良かったです。

 

 

 

遠くない未来にあなたとまた出会うために:相対性理論 presents 『変数分離』 感想

2018年6月24日、ロームシアター京都で行われた 相対性理論 presents 『変数分離』に行った。

公演は17時半からだったが、少し早めに京都に入ってふらふらと散歩をしていた。喪失感のような遣る瀬無い感情にとらわれて、些かセンチメンタルになっていたので、ロームシアターに到着した時もどこか夢見心地でいた。

 

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偽善と善の差異はどこにある:『灰羽連盟』感想

知人の勧めにより、『灰羽連盟』を見た。以下、視聴して感じたことを散文的に述べたい。

 

 

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